2009年6月24日水曜日

ティエブ・ヒエン(Inter-Being=共存)14則 #Thich_Nhat_Hahn

ティク・ナット・ハン
『微笑を生きる――<気づき>の瞑想と実践』
PEACE IS EVERY STEP: The Path of Mindfulness in Everyday Life

訳・池田久代
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1    いかなる教義、理論、イデオロギーに対しても盲目的心酔を避け、また束縛されない。いかなる思想も一手段であって、絶対的真実ではない。
2    現在の知識が絶対不変の真実だとは考えない。狭量を避け、現在のものの見方に縛られない。こころをひらいて他人の考えを受け入れるために、無執着を学び修する。真実は概念化された知識のなかではなく、生活のなかに見いだされる。つねに自己および世界の現実の生活全体をとおして観察し学ぶ。
3    権威、恐喝、金銭、宣伝、教育などのいかなる手段を用いても、自己の考えを他人(子どもを含めて)に強要しない。ただし、他人の盲信、狭量をいさめるときには、まごころを尽くして対話する。
4    この世の悲惨に直面するのを拒んだり、そこから目をそらしたりしない。この世界に現存する苦しみに深く気づき、苦しむ人とともにあるために、面接、訪問、映像や録音などのあらゆる手段を駆使して、苦しみを分かち合う努力をする。このような手段によって、世界の苦しみの現実に自他ともに目覚める。
5    何百万の人が飢えているのに、私的な富を蓄積しない。名誉、利潤、富、肉体的快楽を人生の目的にしない。簡素な暮らしをし、時間、労力、物資を、助けを必要とする人びとと分かち合う。
6    怒りや憎しみをいだきつづけない。怒りや憎しみの種が意識の深層に根づく前に気づいて、すばやく変容させる。怒りや憎しみに気づいたら、すぐに呼吸に戻り、自分の怒りや憎しみの性質や、それを引き起こした人の心境を見きわめ、理解しようと努める。
7    散漫になったり周囲に流されたりして自分を見失わない。気づきの呼吸を行い、いま、ここに戻る。自己の内外の不思議、生気をよみがえらせてくれるもの、癒しの力に触れる。こころに喜びと平和の種を播いて、意識の深層の変容作用を容易ならしめる。
8    不和を生じて共同体の分裂を引き起こす言葉を慎む。どんなに小さないさかいや対立も調停解決する努力を惜しまない。
9    個人的利益や自己顕示欲のために真実でない発言をすることを慎む。分裂や憎悪を引き起こす言葉を使わない。不確かなニュースをひろめたり、確信の持てない事柄を非難、批判したりしない。つねに建設的に真実を語る。自分の身の安全が脅かされても、不正には堂々と勇気を持って立ちむかう。
10   宗教団体を個人的利益のために利用したり、政治集団に変えたりしない。しかし宗教団体は抑圧や不正には断固として立ちむかい、党派間の抗争に関わることなく、状況の改善に努力する。
11   人間や自然に害を加える職業で生計を立てない。人の生存権を脅かす会社組織に投資しない。慈愛を理想とする社会の実現を可能にする職業を選ぶ。
12   みずから殺さず、また人に殺させない。いのちを守り、戦争を避けるための可能な手段はすべて試みる。
13   他人のものをいっさい所有しない。他人の所有物を尊重するが、人が他者を苦しめたり、他の生きものを犠牲にして財を築いたりしないように助言する。
14   自分の体を苦しめないで大切に扱う。自分の体を単なる道具と見なさず、みずからの生命エネルギーを真理実現のために使う。愛と責任のない性愛を慎み、性交渉においては、それによって将来引き起こされるかもしれない苦しみに気づき自覚する。他人の幸福を守るために、他人の権利や約束を尊重する。
この世に新しい生命を送り出す責任を十分に認識し、その子らの住む世界の現実を瞑想する。

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